子どもの歯のあれこれ(生える順番、虫歯の予防方法)
- 2024年6月20日
- お口の病気
目次
子どもの歯について
「赤ちゃんの歯はいつ生えてくる?」
「子どもがむし歯にならないように何をするべき?」
「歯がグラグラしてきたけどいつ抜ける?」
「子どもの口の中を見たら歯に穴があいていた」
「乳歯の色が変かも・・・」
子どもの歯について悩まれる親御さんはたくさんいらっしゃると思います。
今回は乳歯が生えてくる時期や抜ける時期、
できてしまった乳歯のむし歯の治療法や
これからむし歯をつくらないための予防方法などもお話しします。
乳歯が生える順番
乳歯は上の歯が10本、下の歯が10本の計20本生えてきます。
順番としては、
・生後6〜7ヶ月で下の前歯(乳中切歯)が2本
・生後8〜11ヶ月で上の前歯(乳中切歯)が2本
・生後10〜12ヶ月で上下前歯(乳側切歯)の隣に1本ずつ
1歳になる頃に上下で計8本生えてきます。
その後、
・1歳半頃に最初の奥歯(第一乳臼歯)
・1歳8ヶ月頃に前歯と奥歯の間の歯(乳犬歯)
・2歳〜2歳半頃に一番奥の歯(第二乳臼歯)
計20本の乳歯が生えてきます。
ただし、生えてくる時期や順番には個人差があります。
前後半年くらいは誤差範囲です。
それでもなかなか生えてこない場合など心配事がありましたらご相談ください。
乳歯の生え変わり
乳歯が抜ける時期には個人差がありますが、
一般的には6歳前後から12歳くらいまでに乳歯から永久歯へと生え変わります。
最初に下の前歯が抜けて永久歯へと生え変わり、
ほぼ同時期に「6歳臼歯」と呼ばれる奥歯の「大臼歯」が生えるのが一般的です。
「大臼歯」は、乳歯がなく永久歯と生え変わる時期に初めて生えてきます。
その後、
・7歳を過ぎる頃に上の前歯
・8~9歳に前歯の隣の歯
・10〜11歳頃に奥歯
・11〜13歳頃に上下の一番奥の歯
計28本の永久歯が生えてきます。
乳歯が抜ける順番は、一般的な目安であり個人差があります。
生え変わりが順調であれば問題ありませんのでご安心ください。
注意点
①永久歯が生えてこない
乳歯が抜けたあとに永久歯が生えてこないことがあります。
一般的には、乳歯が抜けてから永久歯が生えてくるまで3ヶ月ほどかかると言われています。
あまりにも生えてこない場合はご相談ください。
②乳歯が抜けない
大人になっても乳歯が抜けない方もいらっしゃいます。
歯の生え変わり時期を大きく過ぎても乳歯が抜けない場合、
永久歯が作られていない可能性が高いです。
いつまでも乳歯が抜けず生え変わらない場合、
一度お越しいただいてレントゲン撮影を行い検査してみることをおすすめします。
乳歯のむし歯
乳歯のむし歯とは
次に乳歯のむし歯についてお話しします。
実は乳歯は永久歯よりむし歯になりやすいです。
なぜかというと、乳歯のエナメル質は永久歯より薄いからです。
エナメル質とは歯の表面を指します。
エナメル質が薄いことによりむし歯の進行が早まります。
進行が早いため虫歯になると直ぐに神経まで進行します。
また、むし歯といえば歯が黒くなるイメージがあるかと思いますが、
乳歯の初期のむし歯は白く濁るのが特徴です。
むし歯になる前に歯の表面が酸によって溶ける「脱灰(だっかい)」という状態になり、
歯の表面のエナメル質が溶けることで、歯が白く濁ります。
エナメル質が白く濁る初期のむし歯であれば、進行しないようにフッ素塗布することが多いです。
初期のむし歯に気付かず進行し、穴があいてしまうと治療の必要があります。
ご自宅での仕上げ磨きの際に歯の表面の色もチェックしてみてくださいね。
「他の歯と色が違う気がする」「むし歯かわからない」
このような場合は歯科医師が診断いたしますのでご相談ください。
乳歯がむし歯になってしまった
乳歯がむし歯になってしまった場合、どのような治療をするかお話しします。
初期のむし歯(C 0)
初期のむし歯のことを「C0」といいます。
先ほどお話ししたように、初期のむし歯であればフッ素塗布をします。
歯科医院では市販のものよりもフッ素は濃度が高いものを使用しております。
定期的にフッ素塗布をすることで歯の力を強くしていきます。
エナメル質にむし歯(C1)
エナメル質にできたむし歯を「C1」といいます。
この場合はむし歯の部分を除去し、除去した部分に樹脂を詰めます。
象牙質までむし歯が進行(C2)
象牙質までむし歯が進行した状態を「C2」といいます。
象牙質(ぞうげしつ)とは、エナメル質よりもさらに内側にある
歯の本体を形作っている部分です。
象牙質がむし歯になると、ほとんどが痛みを感じます。
この場合は、麻酔をする必要があります。
むし歯の部分を除去し、詰め物や被せ物で修復していきます。
神経までむし歯が進行(C3)
神経までむし歯が進行した状態を「C3」といいます。
神経まで到達してしまうと、とても痛みがあります。
そのため神経を取る治療をする必要があります。
神経は根っこまで続いています。
根っこの治療には、治療に回数がかかります。
根っこが綺麗になったのちに神経の代わりの材料を詰めて被せ物で修復します。
顎の骨に膿がたまる、歯冠部破損(C4)
C3よりもさらに進行した状態を「C4」といいます。
突然痛くなったり痛みが治まったりします。
また、根っこの先に膿の袋ができ、噛むたびに激痛が走ります。
この場合、歯を抜く可能性が高いです。
予防
乳歯のむし歯を回避するためには、
定期的に歯科検診にお越しいただくのが一番です。
ご家族が子供の歯を注意深く観察していても
「むし歯かどうかわからない」「常に確認するのが難しい」
などの問題があります。
歯科検診に通っていれば、子供の歯への意識も高まります。
また、むし歯になっても初期段階の治療で済み、痛みを感じることなく治療が行えます。
歯科医院でできる予防
①フッ素塗布
定期的にフッ素塗布を行い乳歯の虫歯を予防します。
司会院では普段歯磨きでは落としきれない汚れや、歯石をきれいにクリーニングします。
クリーニングしたのちに歯科医院で扱っている高濃度のフッ素を塗布することで
歯の表面のエナメル質を強くします。
定期検診は3ヶ月に1回お越しください。
継続してフッ素を塗ることでむし歯予防にもなりますし、
初期のむし歯の早期発見にも繋がります。
②シーラント
乳歯の奥歯の溝にむし歯菌が入り込まないようにシーラントをします。
乳歯の奥歯の溝をきれいに清掃して、薄いプラスチックでコーティングします。
ご自宅でできる予防
①歯磨き
一番大切になるのが皆さんご存知の通り歯磨きです。
ただ歯を磨くだけではなく、虫歯になりやすいところを注意して磨きます。
奥歯の溝や歯と歯ぐきの境目など注意して磨きましょう。
お子さんが自分で磨くだけでは磨き残しがあるため、
10歳くらいまでは仕上げ磨きをしてあげましょう。
②フッ素
歯磨きや歯磨き後にフッ素を使いましょう。
フッ素にはエナメル質を強くする力があるので、むし歯になりにくくなります。
ご自宅で毎日使いできるフッ素も取り扱っておりますので、
購入を希望される方はご気軽にスタッフにお申し付けください。
③おやつの時間を決める
おやつはダラダラ食べず、長くても30分以内に終わらせましょう。
ダラダラ食べ続けると、歯の修復の時間がとれずむし歯になりやすくなります。
おやつを食べる際は時間を決めることをおすすめします。
また、甘いものを食べたときには、必ず歯磨きをする習慣を身に着けましょう。
当院で取り扱っている物販を紹介します。
歯科医院でしか取り扱っていないものもありますので検討してみてください。
歯ブラシ
EX Kodomo F 0〜2才用 3〜5才用
こちらの歯ブラシはお子さんが歯磨きの習慣をつけるための歯ブラシです。
お口に入れる練習などにご使用いただけます。
自分の手で歯磨きをさせるのが心配なご家族のために、
ネックの部分が曲がる仕様になっています。
歯磨き中の転倒など、万が一の時でもネックが曲がるので安心です。
プロスペック タイニー スモール
タイニー‥‥乳幼児用(0〜6才用)
スモール‥‥学童用(5〜12才用)
こちらの歯ブラシはブラシの部分が3色に分かれています。
それぞれの色で磨く場所が決められているので、
使い分けることで歯の磨き方が分かってきたり、
磨き残しが減るようになります。
また仕上げ磨きにもご使用いただけます。
歯磨き粉
チェックアップジェル
フッ素が入ったジェルの歯磨き粉になります。
バナナ味にはフッ素が500ppmF、
ピーチ味・グレープ味にはフッ素が950ppmF配合されています。
ジェルはペーストの歯磨き粉よりフッ素が滞留しやすいです。
ご自宅で毎日使いできるフッ素量なのでむし歯予防にぴったりです。
磨き方や使い方などご説明させていただきますので、
購入を希望される方はお気軽にお申し付けください。
いかがでしたでしょうか?
「子供にはむし歯で嫌な思いをさせたくない」という親御さんも多いと思います。
むし歯予防のためにも定期的な歯科医院の受診とご自宅でのケアを頑張りましょう!