口腔内スキャナーって何?歯の型取りが快適&高精度に!
- 2025年10月23日
- 歯科関連器具材料
歯医者さんで治療を受け、「型取り(印象)」のときに
冷たくて粘土のような材料を口に入れられて、「オエッ」となってしまった経験がある方も多いのではないでしょうか?
そんな不快な体験を大きく変えてくれるのが、「口腔内スキャナー(こうくうないスキャナー)」という新しいデジタル機器です。
現在、多くの先進的な歯科医院で導入が進んでおり、患者さんにとっても治療の快適性・精度・スピードすべてが向上しています。
今回はこの「口腔内スキャナー」について、仕組み・メリット・従来法との違い・どんな治療に使えるのかなどをわかりやすく解説します。

目次
口腔内スキャナーとは?
口腔内スキャナーとは、お口の中をカメラでスキャンして歯のデジタルデータを取得する装置のことです。
一言で言えば、「3Dスキャナー付きのカメラ」のようなもので、
患者さんの歯や歯ぐきの形状・色・かみ合わせを数秒〜数分で立体的に読み取ることができます。
取得したデータはパソコンやタブレットに瞬時に表示され、そこからデジタルで被せ物やマウスピースの設計・製作が可能になります。

どんなときに使うの?
口腔内スキャナーは、次のような治療や処置に使用されます。
クラウン(被せ物)やインレー(詰め物)の作製
精密な3Dデータにより、ぴったりと合う修復物を製作できます。
マウスピース矯正(インビザラインなど)
矯正前後の歯列の変化をシミュレーション表示できるので、治療の「見える化」が可能。
インプラント治療
顎の骨や周囲の歯との位置関係を正確に把握し、安全で適切な設計ができます。
口腔内スキャナーのメリット
型取りが楽になる!不快感が激減
従来の型取りは、シリコンやアルジネートなどの粘土のような素材を口に入れ、しばらく我慢しなければなりませんでした。
口腔内スキャナーなら、小型カメラを口の中にかざすだけです。
吐き気や異物感が少なく、嘔吐反射の強い方でも安心です。
精密でズレが起きにくい
スキャナーは数ミクロン単位の精度で歯の凹凸を読み取ることができるため、被せ物の適合性が格段にアップします。
従来の型は時間とともに変形することがありましたが、デジタルデータはそうした劣化がありません。
スピーディな治療が可能に
スキャンしたデータはその場で送信できるため、技工所とのやり取りが迅速。
長期的な管理にも有効
データはクラウドなどに保存可能なので、過去の歯並び・噛み合わせと比較して経年的な変化をチェックすることができます。
再製作時にも再スキャンが不要なこともあり、利便性が高まります。

従来の型取りとの違いまとめ
|
比較項目 |
従来の印象法 |
口腔内スキャナー |
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型取り方法 |
シリコンや石膏を使用 |
光学スキャン |
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患者の快適さ |
嘔吐反射が出やすい |
吐き気が出にくい |
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精度 |
やや誤差が出る可能性あり |
高精度で再現性高い |
|
スピード |
石膏模型の作成に時間がかかる |
データ即送信でスピーディー |
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保存性 |
型は変形・劣化することがある |
データ保存が可能 |
スキャナー導入で何が変わる?治療現場の声
実際に口腔内スキャナーを導入している歯科医院からは、次のような声が多く聞かれます。
「治療が楽だった」と患者さんに好評
技工物のやり直しが減った
矯正のモチベーションが上がる(治療前のシミュレーションが見られる)
高齢の方や子どもでも負担なく使える
今後はさらに、AIや自動診断との連携も進み、「スキャナー+診断サポート+設計ソフト+3Dプリンター」という一連のデジタル歯科医療が当たり前になる時代が来るかもしれません。

まとめ:スキャナーは「歯科の新常識」に!
口腔内スキャナーは、患者さんにとっても歯科医師にとっても、より正確で、より快適な治療を実現するための大きな進化です。
「型取りが苦手…」
「自分の歯の状態をもっと詳しく知りたい」
「より精密な被せ物を作りたい」
こんな方は、ぜひ口腔内スキャナーを導入している歯科医院での受診を検討してみてください。
歯科治療は、いま“快適・高精度・時短”の新時代へと進んでいます。