骨隆起(下顎隆起)とは?原因・症状・治療の必要性を解説!
- 2025年5月8日
- お口の病気
目次
骨隆起について:その原因、症状、治療法とは?
こんにちは、ポライト歯科院長の自見です。
今回は歯科診療の中で比較的よく見られる 骨隆起(こつりゅうき) について解説します。骨隆起は、口腔内における骨の隆起した部分のことを指しますが、その多くは特に痛みを伴わないため、気づかずに過ごしている方も少なくありません。
骨隆起は自然な現象であることが多い一方で、治療が必要になる場合もあります。本記事では、骨隆起の原因、症状、治療法について詳しく解説します。
骨隆起とは?
骨隆起とは、あごの骨が通常よりも隆起している状態のことを指します。これは、特に下あごの内側や上あごの奥歯の付近、あるいは口蓋(上あごの天井部分)に発生することが一般的です。
骨隆起の種類
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下顎隆起(かがくりゅうき)
下あごの内側(舌側)に硬い骨の隆起が現れるものです。左右対称に発生することが多く、触ると硬くて滑らかな感触があります。 -
上顎隆起(じょうがくりゅうき)
上あごの奥歯付近の歯ぐきに近い部分で見られる骨の隆起です。 -
口蓋隆起(こうがいりゅうき)
上あごの中央部分、口蓋に発生するものです。触ると固い骨が突出している感触があります。
骨隆起の原因
骨隆起の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下のような要因が関連していると考えられています。
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噛み合わせや咬合力の影響
噛み合わせの問題や強い咬合力が原因で、あごの骨が刺激を受け続け、骨の成長が促進されることがあります。 -
遺伝的要因
骨隆起は遺伝的な影響を受ける可能性があるとされています。家族に骨隆起がある場合、自分にも発生するリスクが高まることがあります。 -
加齢
年齢を重ねることで骨組織が変化し、骨隆起が目立つようになる場合があります。 -
歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりや食いしばりが原因で、骨に過剰な力が加わり、骨隆起が形成されることがあります。
骨隆起の症状
骨隆起そのものは通常、痛みを伴いません。そのため、以下のような状況で初めて気づく方が多いです。
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口腔内の違和感
舌や指で触れたときに硬い隆起が感じられる場合があります。 -
入れ歯の違和感
義歯や部分入れ歯を使用している方は、骨隆起があると装着時に違和感や痛みを感じることがあります。 -
歯科医師による指摘
定期検診や治療中に、歯科医師から「骨隆起がありますね」と指摘されることがあります。 -
炎症や傷の発生
まれに骨隆起部分に傷がつき、炎症を起こして痛みを伴う場合もあります。特に食事中や歯磨きの際に刺激が加わることが原因になることがあります。
骨隆起が問題になる場合
骨隆起が必ずしも治療の対象になるわけではありませんが、以下のような場合には治療を検討する必要があります。
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喋りにくい場合骨隆起によりベロが干渉してしまい発音に影響がある場合は除去をする必要があります。
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入れ歯が装着できない場合
義歯が骨隆起に干渉してしまい、適切に装着できない場合、手術で骨隆起を削る必要があります。 -
頻繁に傷ができる場合
骨隆起部分が食事や口内の動きで頻繁に傷つき、痛みや炎症が繰り返される場合は、除去が検討されます。 -
見た目が気になる場合
骨隆起が大きく、見た目に影響があると感じる場合は、患者さまの希望に応じて処置が行われることもあります。
骨隆起の診断と治療
診断
骨隆起の診断は、主に視診や触診、必要に応じてレントゲン検査を行って確認します。骨隆起は病変ではなく、正常な骨の一部が突出している状態であるため、診断に特別な手法は必要ありません。
治療法
治療が必要な場合、以下のような方法が採られます。
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経過観察
痛みや不快感がない場合、多くは経過観察を行います。特に治療が必要ないケースがほとんどです。 -
骨隆起の除去手術
入れ歯や炎症の問題を解決するため、局所麻酔下で骨隆起を削る手術を行うことがあります。手術後は一時的に腫れや痛みが生じる場合がありますが、多くの場合は順調に回復します。
骨隆起を予防する方法
骨隆起の完全な予防は難しいですが、以下のような対策が役立つ場合があります。
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歯ぎしりや食いしばりを予防する
就寝時にナイトガードを使用することで、噛み合わせにかかる負担を軽減できます。 -
定期的な歯科検診
定期的に歯科医師のチェックを受けることで、骨隆起やその他の問題を早期に発見できます。 -
噛み合わせの調整
噛み合わせに問題がある場合は、適切な治療を受けることで骨隆起の発生リスクを減らせます。
まとめ
骨隆起は多くの場合、自然な現象であり特別な治療を必要としません。ただし、入れ歯の装着に問題が生じたり、頻繁に傷がつくような場合には、歯科医師と相談し適切な処置を受けることが大切です。
気になることやご不明点があれば、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。皆さまの健康な口腔環境をサポートするため、私たちは最善を尽くします!
記事監修者

所属
- 日本顎咬合学会 認定医
- 国際口腔インプラント学会 DGZI Japan 認定医
- 日本歯科審美学会 会員
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また、ご来院された皆様が気持ちよく過ごすことができる空間づくりをスタッフ共々行ってまいりますので、ポライト歯科クロス向ヶ丘をどうぞよろしくお願いいたします。