入れ歯が合わないと感じたら?調整や作り直しのベストなタイミングとは
「最近、入れ歯がカタつく…」「痛くて噛めない」「口の中に違和感がある」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
入れ歯は、時間とともに口腔内の状態が変化することで合わなくなることが少なくありません。
本記事では、入れ歯が合わなくなる理由、放置によるリスク、そして調整・作り直しの目安について詳しくご紹介します。

目次
入れ歯が合わなくなる原因とは?
顎の骨(顎堤)が徐々に痩せていく
歯を失うと、顎の骨は刺激がなくなるため徐々に吸収されて痩せていきます。
これは「顎堤吸収(がくていきゅうしゅう)」と呼ばれ、入れ歯の内面と歯ぐきの間にすき間ができる原因となります。
噛む力や日常の動作による摩耗
入れ歯の人工歯や土台も、毎日の使用によってすり減ることがあります。
特に部分入れ歯では、バネ(クラスプ)の変形や緩みが起こりやすくなります。
お口や頬の筋肉の変化
年齢とともに表情筋の働きが弱くなったり、頬の肉付きが変化したりすると、入れ歯の安定感が悪くなることもあります。
入れ歯が合っていないと起きる不調
入れ歯の不具合を放置すると、さまざまなトラブルを引き起こします。
痛み・口内炎
歯ぐきに合っていない入れ歯がこすれて傷になる
噛みにくさ・食欲低下
食事が楽しめなくなり、栄養バランスの乱れにもつながる
発音しづらい・話しにくい
空気が漏れて言葉が不明瞭に
顎関節症の悪化
咬み合わせが狂うことで顎関節や筋肉に負担
こうした状態を放置すると、さらなる顎の変形や健康状態の悪化を招く恐れがあるため、早めの対応が重要です。

調整が必要なサインとは?
以下のような症状が現れたら、入れ歯の調整・点検を歯科医院で受けるサインです。
- 入れ歯がグラグラする、外れやすい
- 歯ぐきや頬に痛み、口内炎ができやすい
- 以前よりも噛みにくくなった
- 食べかすが入れ歯の下に入りやすい
- 話すときに外れたり音が漏れたりする
- 入れ歯が割れたり欠けたりした
- 以前と比べて「顔がやつれて見える」気がする
調整と作り直し、どちらを選ぶべき?
調整で対応できるケース
入れ歯の一部が当たって痛い
わずかなズレやガタつきがある
クラスプが緩んでいる
内面を少し補填するだけでフィットする
→ リライニング(裏打ち)や咬合調整(かみ合わせの微調整)などで対応可能です。
作り直しを検討すべきケース
入れ歯の全体的なズレや不安定さがある
顎の骨の吸収が進んで、形が大きく変わっている
使用年数が5年以上経過している
歯並び・噛み合わせが崩れてしまった
入れ歯にヒビや欠けが目立つ
→ 一度すべての状態を確認して、新しく設計し直す方が快適で長持ちする場合もあります。

入れ歯の寿命はどのくらい?
入れ歯の寿命は一般的に5〜7年程度とされています。
ただし、使用環境やケアの仕方によっても左右されます。
◎正しく使い、定期的に調整すれば10年以上使用できることも
◎逆に、合わない入れ歯を無理に使い続けると、顎や健康に悪影響
定期的な点検を受けることで、入れ歯の寿命を延ばし、快適な生活を保つことができます。
まずは歯科医院にご相談を
「合わないな」「痛いな」と思っていても、我慢して使い続けている方が非常に多いのが現実です。
入れ歯は調整・修理・再製作が可能な“治療器具”ですので、問題を感じたら早めに歯科医院を受診しましょう。
当院では、患者様一人ひとりのお口の状態を丁寧に診察し、快適に使える入れ歯作り・調整を心がけています。
まとめ:入れ歯の不快感は「当たり前」ではありません
◎入れ歯は時間と共に口腔環境が変化し、合わなくなることがある
◎痛みや不快感が出たら、自己判断せずに専門家に相談を
◎調整・作り直しを適切なタイミングで行えば、快適な生活が長続きします
「なんとなく使いづらい…」そんな小さな違和感が、大きな不調のサインかもしれません。
入れ歯に関するご相談は、いつでもお気軽にお寄せください。